教育

数学がぼくに「なぜ?」をあたえてくれた

ぼくが数学をほんとうに好きになったのは高校3年生のときです。それまでも国語や社会に比べれば好きと言う感覚はありましたし、テストでも平均点はとることができていたように記憶しています。でも、あくまでも数学はその程度の存在でした。 素通りの人生 高3まではたいした疑問を持たず、深く考え込むこともなく進んでいました。小学校のときに多くの方が疑問に思う「分数の割り算は、分母分子をひっくり返してかける」事実や、中学のしょっぱなに頭を悩ませる「マイナス×マイナス=プラス」であること。こう言う類のものに大した疑問を持たず、「そういうものなんだろう」と割り切って、ただ計算ができるようになってテストである程度の点数が ...

「教える」よりも「引き出す」に重点を置く

ぼくの好きな本に、「プロ研修講師の教える技術」というのがあります。 なぜこの本を購入するに至ったかと言うと、”はじめに”でこんなことが書かれていたからです。 「こちらが、詳しくていねいに話す」のではなく、「こちらの説明はポイントだけで、答えは相手に見つけてもらう」 プロ研修講師の教える技術 寺沢 俊哉 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2011-10-16 Amazon この考えにすごく共感し、思わず購入したわけです。”教える”よりも、答えを”引き出す”ことで授業を組み立てていき、話を進めていく。初任校でみんなの前に立って教えはじめてしばらく経ったころから、その重要性に気づき、意識し始め、そこから数ヶ月が経った頃、本書と出会いました。 予備 ...

抽象化の先に待っているものが感じられるTED動画

小学校で学ぶ算数と、中学校以降に学ぶ数学。このふたつには大きな違いがあります。 よく「算数は普段使うから必要やけど、数学を普段使うことはない。やから必要ない」って意見を聞いたりしますが、「必要ない」という部分以外はまさにそのとおりだと思います。「算数は普段使うから必要やけど、数学を普段使うことはない」。だって、扱う対象が違うんですもの。 算数で扱うのは、”具体的”です。具体的な数を扱い、数に関する知識を学びながら、四則演算を習熟していきます。に対して数学で扱う対象は”抽象的”なもの。数学では「文字式」を筆頭に、普段の生活ではなかなか出てこない、抽象化された世界へと踏み込んで行きます。 だから「算数は ...

教え手は”今の自分”を基準にしてはいけない

どんな職業・立場であれ、「これはこうするんだよ」であったり、「こういうことだよ」と伝えたり教えたりすることってあると思います。で、そんなときに「言うたのになんでわからへんねん」「さっきのん全然伝わってなかったんかいな」って感じたことってありませんか? この状況の原因は、一概には教え手/学び手、あるいは伝え手/受け手のどちらが悪いとは言い切れません。教え手は、ちゃんと説明したのにわかってくれないと、学び手を責めがちになったりしますが、ちょっと立ち止まって考えてみて欲しいと思うんです。 ”今の自分”を基準に物を言っていないか? ぼくは、基本的には数学の教え手です。数学については、今までいっぱい学んできま ...

「黒板の前に立ち全体に向かって講義する形」ではない授業を試す

ぼくは、高校で数学を教えています。 赴任している学校が「学びなおし」の学校でして。 小中学校で学んだことを1年間でどう復習し、高校数学につなげるか〜新しい授業の形について考える①〜でも触れましたが、学びなおしということで、勉強を苦手としてきた生徒がけっこういます。そこで、毎日30分間、小中学校で学んだことを復習するという授業形態(モジュール授業)をとっており、国数英に関しては毎日授業があります。その授業も他と同様、基本的には前で教員が解説する講義形式で授業しているのですが、やり始めたときから全く違ったものにしたい、と考えていました。 数学がすごく苦手な生徒もおり、これまでの経験から、学ぶ意欲が失われ ...

思っていたよりも色々と読めていた2020年の「びっくら本」

なかなか思うように読書の時間がとれていません。 とはいえ、本を読まない日はなく、毎日ちびちびと、少しずつ少しずつ読み進めています。 そのおかげか、2020年を振り返ると、それなりにいろいろな本を読むことができていました。 読んだのに読んだことを忘れていたりするのですが、一年に一度、この時期に思い返すことができ、毎年、この「びっくら本」を機会に今年の読書をかみしめます。 いつもと大きく違う一年でしたが、いつもと同じように本を読むことができ、嬉しいです。 なぜ心は病むのか いつも不安なひとの心理 『なぜ心は病むのか いつも不安なひとの心理』(アルフレッド・アドラー) これまで色々とアドラー心理学の本を読んできました ...

小中学校で学んだことをどう復習し、高校数学につなげるか〜新しい授業の形について考える②〜

小中学校で学んだことを1年間でどう復習し、高校数学につなげるか〜新しい授業の形について考える①〜 モジュール授業の目的は、一言で言うと 小中学校の学び直し とされています。 高校1年生は、モジュール授業にて小中学校で学んだことを学びなおす。なんのために?それは、高校の内容を理解できる、考えていける素地を作るためではないか、とぼく個人は考えています。 実際にやっていなので想像でしかありませんが、小中学校では、導入から工夫し、児童生徒の考えを広げながら授業を展開し、意見をまとめながらに進んでいく中で、理解につなげていく、と言うことをやっているのでは、と思います。これをやっている小中学校の先生は、本当にすごい ...

小中学校で学んだことを1年間でどう復習し、高校数学につなげるか〜新しい授業の形について考える①〜

例えば、高校の1年間を小中で学んだことの復習に使えるとします。 時間は、毎日30分。週5日で150分。 加えて、勉強が苦手というか、小中学校のどこかしらで算数・数学につまづきがあり、十分に身についてない生徒がほとんどだとします。 その状況で、じゃあ毎日30分の数学の授業をどんな授業にするか。 何を、どう学ぶのが良さそうか。 高校2年生になったら、数Ⅰの授業が開始していくとするならば、1年生の1年間をどう使えば良いか。 ぼくの務める学校では、国数英に関してはこのような毎日30分の授業があります(モジュール授業と呼ばれています)。 今年初めて、ぼくはこの、毎日30分間の授業を担当することになりました。 モジュール ...

知的生産その5「授業」〜一個人の、知的生産・タスク管理の技術15〜

「授業」を組み立てるときにも、頭をはたらかせます。生徒にわかるかたちはどういうものを、どういう順序で、どういったように伝えたらいいか、を。 ただただ考えるわけではなく、段階によって少し考える方法や用いるものがかわってきます。 章ごとに 数学の教科書は、数学を伝える単位として、内容ごとに「章」や「節」に分かれています。新たな章に入るときに、その章全体のロードマップを思い描きます。もちろん、高校には定期考査というものがあるので、考査によってその「章」や「節」は分断されるのでそれも考慮に入れつつ、最終的な目標と、そこに至るまでの道筋を考えます。 ここで用いるのが、紙とペン。iPadとApple Pencilで ...

知的生産その1「知的生産とは」〜一個人の、知的生産・タスク管理の技術11〜

タスク管理についてはひと段落したので、今後は知的生産について考えていきたいと思います。 知的生産 「知的生産というのは、頭をはたらかせて、なにかあたらしいことがら──情報──を、ひとにわかるかたちで提出することなのだ」 『知的生産の技術 (岩波新書)』(梅棹 忠夫)において、知的生産は上記のように定義されています。ぼくも、この定義のもと、話を進めていきたいと思います。 では、実際にぼくの環境で、置かれた状況で、活動の中で「知的生産」と言える部分はどこか、というのを考えてみますと、このブログも仕事でおこなっている日々の授業も、仕事の一つ一つにおいても、知的生産の要素を多分に持っているなーと感じます。 ブログは ...