数学

【読んで理解】三角比の拡張

きりーつ、 れーい、 ちゃくせーき。 「ほしたらはじめていきましょうかいね。 前回、これから三角関数を学んでいくにあたって、三角比の復習をやったと思います。 数学Ⅰのほうで三角比ってのを学んだわけやけど、いちばんはじめにこんな風に定義されてたんを思い出してもらったわけやね(【読んで理解】三角比の定義)。 で、これやった後に、この定義やと$\theta$として$90^\circ$までしか考えられんから、$180^\circ$まで$\sin\theta,~\cos\theta,~\tan\theta$の値を定義できるようにしよう、って習ってるんやけど、覚えてる? いいねぇ、その『そんなんやったっけ?』ってのが滲 ...

【読んで理解】三角比の定義

「三角比、教えてくれ。」 「相変わらず唐突だね。」 「唐突も何もあるかいな。俺が三角比を学びたいと思った。目の前には数学得意マンのお前がおる。じゃあ発する言葉は『三角比、教えてくれ。』の一択やろ。」 「大きなものの高さを測るとしたら、どうする?」 「相変わらず唐突やな。」 「きみに『三角比、教えてくれ。』って言われたら、いつものように『三角比とはなんぞや?』ということを聞いてるんだろうなーという推測がたつ。じゃあ僕が発する言葉はいくつかの選択肢があったけど、『大きなものの高さを測るとしたら、どうする?』でいこうと思っただけだよ。」 「そんなもんか。で、大きなものの高さを測るってどゆこと?」 「例えば、こんな ...

数学を学ぶときに大事なことを踏まえつつ、Obsidianで間隔学習

たくさんの時間をかけることができるわけではありませんが、毎日少しずつでも数学をまなぶようにしています。今まで自分が学んだことがないものを、日々ほんの少しずつ、学び進めていくというのをずーっとやっています。 そこでいつも頭を悩ませるのは、学んだ内容を忘れていってしまうということ。1日に数学にかけることのできる時間は限られていますし、数学を勉強する時間を取ることができない時は、何日か間隔が空いてしまうこともあります。そうなると前に学び、理解したと思った内容も、続きをやるときには忘れてしまっており、もう一度やらないといけなくなるってことが頻繁に起こりますし、それを気にせず先に進むと、大抵はどこかでわか ...

「こうすればいい」には、常に「わかった気」がつきまとう

「わかった気」というのはかなり厄介な奴で、わかったつもりになってそこで立ち止まってしまい、立ち止まっていることに気づかない。 となると、「わかりやすく伝える」ことは、良いことなんやろうかという疑問がわく。 ぼくは今勉強の苦手な子が多い学校で数学を教えている。数学が苦手で苦手で仕方ない生徒も少なくない。 そんな数学が苦手で苦手で仕方ない生徒に対しては、「解ける」ことがまず必要であると考え、まずは解けるようになることを第一に考え、授業していた。例えば、速度の問題を教えるときに「きはじ」という図を使ったり。 最近、「きはじ」の図は有害である、と考える人の意見を見かけ、じっくり読んだ。で、「きはじ」は、理解を ...

数学がぼくに「なぜ?」をあたえてくれた

ぼくが数学をほんとうに好きになったのは高校3年生のときです。それまでも国語や社会に比べれば好きと言う感覚はありましたし、テストでも平均点はとることができていたように記憶しています。でも、あくまでも数学はその程度の存在でした。 素通りの人生 高3まではたいした疑問を持たず、深く考え込むこともなく進んでいました。小学校のときに多くの方が疑問に思う「分数の割り算は、分母分子をひっくり返してかける」事実や、中学のしょっぱなに頭を悩ませる「マイナス×マイナス=プラス」であること。こう言う類のものに大した疑問を持たず、「そういうものなんだろう」と割り切って、ただ計算ができるようになってテストである程度の点数が ...

「そういうもの」のうちのひとつについて

長いこと、それこそ何年も何十年もずっと好きなことって、誰しもそんなに多くはないと思います。 時期ごとに熱中したものはあれど、どこかで飽きるというか、熱が冷めるもんです。 でも、中には、何年も何十年もずーっと好きでいられることがあったりします。 ずっと好きなことに出会うと、それは生活にしみわたり、それにふれるために時間をつくったり、日々の活力になったり。 それなしの人生は、ちょっとイメージしがたいくらいになります。 そういうものに出会うことができるのは、幸せなんちゃうかなぁ。 そんな風に思います。 ぼくにとって数学や本を読むことが「そういうもの」にあたります。 今回は数学について、ちょっと書きたいと思います。 い ...

抽象化の先に待っているものが感じられるTED動画

小学校で学ぶ算数と、中学校以降に学ぶ数学。このふたつには大きな違いがあります。 よく「算数は普段使うから必要やけど、数学を普段使うことはない。やから必要ない」って意見を聞いたりしますが、「必要ない」という部分以外はまさにそのとおりだと思います。「算数は普段使うから必要やけど、数学を普段使うことはない」。だって、扱う対象が違うんですもの。 算数で扱うのは、”具体的”です。具体的な数を扱い、数に関する知識を学びながら、四則演算を習熟していきます。に対して数学で扱う対象は”抽象的”なもの。数学では「文字式」を筆頭に、普段の生活ではなかなか出てこない、抽象化された世界へと踏み込んで行きます。 だから「算数は ...

概念の拡張と日常への適用

数学では、新しく世界を広げるために、「概念を拡張する」ことがある。 拡張するとは、適用範囲を拡げること 例えば、「数」。ぼくたちが一番初めに学ぶのが、1、2、3、4などの「自然数」とよばれるもの。この自然数に対し、「+」「−」「×」「÷」の計算ー「四則演算」ーが定義されていくこととなる。 すると、「1÷3」や「2-5」など、計算の結果が自然数ではなくなるものが出てくる。出てきた数を認め、はじめは自然数に対して定めた「+」「−」「×」「÷」を、新たに出てきた自然数ではない数に当てはめてもいいかを確かめる。 そうして、これらの演算を、小数や負の数などの自然数以外へと、拡張していく。さらには、有理数、無理数 ...

小中学校で学んだことをどう復習し、高校数学につなげるか〜新しい授業の形について考える②〜

小中学校で学んだことを1年間でどう復習し、高校数学につなげるか〜新しい授業の形について考える①〜 モジュール授業の目的は、一言で言うと 小中学校の学び直し とされています。 高校1年生は、モジュール授業にて小中学校で学んだことを学びなおす。なんのために?それは、高校の内容を理解できる、考えていける素地を作るためではないか、とぼく個人は考えています。 実際にやっていなので想像でしかありませんが、小中学校では、導入から工夫し、児童生徒の考えを広げながら授業を展開し、意見をまとめながらに進んでいく中で、理解につなげていく、と言うことをやっているのでは、と思います。これをやっている小中学校の先生は、本当にすごい ...

小中学校で学んだことを1年間でどう復習し、高校数学につなげるか〜新しい授業の形について考える①〜

例えば、高校の1年間を小中で学んだことの復習に使えるとします。 時間は、毎日30分。週5日で150分。 加えて、勉強が苦手というか、小中学校のどこかしらで算数・数学につまづきがあり、十分に身についてない生徒がほとんどだとします。 その状況で、じゃあ毎日30分の数学の授業をどんな授業にするか。 何を、どう学ぶのが良さそうか。 高校2年生になったら、数Ⅰの授業が開始していくとするならば、1年生の1年間をどう使えば良いか。 ぼくの務める学校では、国数英に関してはこのような毎日30分の授業があります(モジュール授業と呼ばれています)。 今年初めて、ぼくはこの、毎日30分間の授業を担当することになりました。 モジュール ...