授業

今年度の授業で試そうとしていること

『子どもは40000回質問する あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力』(イアン・レズリー)にて、少しの知識が好奇心を生む話が書かれていた。 まったく知らなければ好奇心は生まれようもない。 全部知っている、と認識していれば、さらに知りたいという欲求は生まれようもない。 少しだけ知っていれば、知識の穴を埋めようと、好奇心が生まれ得る。 また、『脳はこうして学ぶ』(スタニスラス・ドゥアンヌ)でも好奇心について書かれており、 好奇心は脳がすでに知っていることと、これから知りたくなることとのギャップを検出したときに生じる のだそう。 ということは、少しの知識を伝えることと、ギャップを埋めないようにすることがかなり大 ...

他の人のを見るよりも、自分で作った方がはるかに理解が深まり、活用へとつながりやすい

「ルーブリック」というものが、新しい評価基準として注目されてたりされてなかったりするらしいです。 今、高校3年間を通して、どういった進路学習を日々の授業の中に組み込んでいけばいいかじっくり考えています。外部のNPO法人に協力していただき、来年度に向けて目指す生徒の姿などを時間をかけて練り込んでいっている段階です。で、そこでルーブリックというのを作成しているのですが、実際にこういったものを作成するのは初めてのことで、ルーブリックの存在すらあまり知りませんでした。 ただ、ちょっと思い出してみると、ルーブリックを目にし、自己評価をした経験がありました。それは、去年の10年経験者研修でのこと。 教職員として ...

「教える」よりも「引き出す」に重点を置く

ぼくの好きな本に、「プロ研修講師の教える技術」というのがあります。 なぜこの本を購入するに至ったかと言うと、”はじめに”でこんなことが書かれていたからです。 「こちらが、詳しくていねいに話す」のではなく、「こちらの説明はポイントだけで、答えは相手に見つけてもらう」 プロ研修講師の教える技術 寺沢 俊哉 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2011-10-16 Amazon この考えにすごく共感し、思わず購入したわけです。”教える”よりも、答えを”引き出す”ことで授業を組み立てていき、話を進めていく。初任校でみんなの前に立って教えはじめてしばらく経ったころから、その重要性に気づき、意識し始め、そこから数ヶ月が経った頃、本書と出会いました。 予備 ...

教え手は”今の自分”を基準にしてはいけない

どんな職業・立場であれ、「これはこうするんだよ」であったり、「こういうことだよ」と伝えたり教えたりすることってあると思います。で、そんなときに「言うたのになんでわからへんねん」「さっきのん全然伝わってなかったんかいな」って感じたことってありませんか? この状況の原因は、一概には教え手/学び手、あるいは伝え手/受け手のどちらが悪いとは言い切れません。教え手は、ちゃんと説明したのにわかってくれないと、学び手を責めがちになったりしますが、ちょっと立ち止まって考えてみて欲しいと思うんです。 ”今の自分”を基準に物を言っていないか? ぼくは、基本的には数学の教え手です。数学については、今までいっぱい学んできま ...

「うちあわせCast」を聞いて考えた、「学校」についてのこと

うちあわせCastを聞きました。 うちあわせCast – 第六十一回:Tak.さんと自分なりの方法の作り方 「自分の道具を作る」について。 その中で触れられていたのは、本を読んで、それを盲信的に信じたり、それが唯一の正解やと捉えて、自分のやり方があっているのかどうか確かめたい人がおるけど、それってどうなんだろうか、という話が印象的でした。 それに続いて、日本の教育について言及されていました。実際に教育現場にいる身としては、色々と考えさせられますし、自分なりの意見なんかも持ち合わせているわけで。 今日はそれについて書きます。 学校教育は、正解するか否か、に重きを置かれているため、正解かどうか、を気にする人に育て ...

「黒板の前に立ち全体に向かって講義する形」ではない授業を試す

ぼくは、高校で数学を教えています。 赴任している学校が「学びなおし」の学校でして。 小中学校で学んだことを1年間でどう復習し、高校数学につなげるか〜新しい授業の形について考える①〜でも触れましたが、学びなおしということで、勉強を苦手としてきた生徒がけっこういます。そこで、毎日30分間、小中学校で学んだことを復習するという授業形態(モジュール授業)をとっており、国数英に関しては毎日授業があります。その授業も他と同様、基本的には前で教員が解説する講義形式で授業しているのですが、やり始めたときから全く違ったものにしたい、と考えていました。 数学がすごく苦手な生徒もおり、これまでの経験から、学ぶ意欲が失われ ...

「授業は難しい。だから楽しい」とはなかなか言えないけど、うまくいってない部分を打開して楽しめるようになりたい

授業で難しい、と感じるのは、「どうすれば数学を学ぶ気になってくれるのか?」というところ。これがほんまに難しい。 ぼくの赴任している高校の生徒は、勉強することに苦手意識というか、高校に入るまでの経験で勉強することに対してポジティブな感情よりもネガティブな感情を抱きがち。 そうならざるを得ないこともあるよな、と感じる。 特に数学のような積み上げていく教科は、小学校あたりでつまずき、そのつまずきから先「わからない」の経験が積み重なっていってしまうことがある。 そうなると、なかなか数学を学ぶことに対してポジティブな感情を抱きにくい。 聞いてもわからん授業を受け続けるのは、かなりの苦痛やから。 そういう生徒もいる中 ...

授業の短かい感想を、綴じノートに書き連ねていこう

普段、紙のノートをあまり使っていません。 授業の板書計画にもiPadを使うようになり、紙を使うのは、ちょっとしたメモをメモパッドに書きつけたり、あれこれ考える際にA4用紙の裏紙を使ったり、切り離せるノートがメインになっています。 以前は頻繁に紙のノートを開いてはそこにあれこれと書き込んでいましたが、手軽なメモはiPhoneでとるようになり、考える時にiPadを使うようになり、綴じノートをがっつり使うってことが少なくなってきています。 ブログの更新を再開し、それに付随して、いろんなことに対する活力が湧いてきている今日この頃、授業にたいする気持ちもまた盛り上がってきました。 忙しさにかまけて、授業はついつ ...