テキストに構造を持たせて、それを操作・編集するツール

「うちあわせCast第82回 アウトラインとは何か?」と「うちあわせCast第84回 最近のアウトライナーについて」を2回ずつ聞いた。
アウトライナーについて、色々と考えた。

  • 骨組みの話
    • アウトラインは、はじめから「概要」を扱うわけではない。
    • 肉を投げていき、何かぶつかる。もっと肉を投げていくことで、さらにそれがぶつかる部分が可視化されていき、そこに骨があることに気づいていく。

    • あさっての方向に投げないようにするのが、はじめのアウトラインかな、と思った。この辺に投げていこう、という、あたりをつけるのが。
    • 最初であっても意味として筋が通っているような感じにアウトラインを立てるけど、あくまでもそれはあたりをつけているだけ。この辺りに投げてみれば良いかな、という。
    • とりあえずの構造を組み立てている、とも言えなくもない。ただ構造があるだけ、くらいに思っておくほうがいい。変化して当たり前、くらいに。
    • で、構造を非常に柔軟に扱うことのできるツールが、アウトライナー。
  • 意味的な構造
    • 後半に「意味的な構造」という言葉が出てきた。
    • はじめは意味を持った構造ではないけど、書くうちに意味的な構造へと変容し、すなわちそれが目次になる。読み手のための構造と書き手のための構造が一致してくる。

    • この文脈で考えると、骨組み=意味的な構造ということになる。
      • 骨組み=意味的な構造=目次=読み手のための構造
    • 文章を書く、という行為の際には、この変容が起きるんやろう。でも、構造に意味を持たせないといけないわけではなく、というかそもそも意味的な構造が初めから見えてることはなくて。見えているように見せることができるだけ、とりあえずのアウトライン(アウトライン)がそこにあるだけ。
    • この回の話を聞いて、アウトライナーは、あくまでも構造をものすごく柔軟に扱えるツール、ってだけな気がしてきたね。

この2つをあらためて聞いて、アウトライナーについて色々と考えた。
で、そこでまず思ったのは、アウトライナーってテキストエディタ並みに汎用ツールなのではないか、ということ。
そうやと仮定すると、テキストエディタはどんなふうに使われていたり、どういう用途があるのかってのがヒントになる。
テキストエディタは何に使える?って話、というか、テキストエディタの使い方を網羅しているような話はないと思う。

テキストエディタとは、文字や記号などのテキストで構成されている テキストファイルを編集するソフトのこと(テキストエディタとは パソコン初心者講座

コンピュータで文字情報(テキスト)のみのファイル、すなわちテキストファイルを作成、編集、保存するためのソフトウェア(プログラム)(テキストエディタとは何? Weblio辞書

「テキストエディタとは?」に対する返答はとりあえずこんな風に述べられていて、その多岐にわたる使い方は、個々に話されている印象。
テキストエディタを使って、ある人は文章を書いて、ある人はタスク管理にも使ってる。プログラミング書く道具でもある。
汎用的であればあるほど、それで何をするのか?の答えは定まらない。アウトライナーは、そのレベルの汎用ツールでは?と思う。


テキストエディタであれば、テキストを編集する。
ではアウトライナーであれば、何をするのか。構造を付加されたテキストを扱う。編集する、という感じではない。ちょっと違う感がある。不思議と。
構造を付加させるのも担う。
テキストに構造を持たせて、それを操作・編集する。


うちあわせCastでは肉の比喩があり、これが確かになーと納得感のありおもしろくて言い得ている比喩やと感じたけど、その比喩はアウトライナーを使うときだけではなく、アウトライナーを使ってなくても、文章を書くときにも共通して言えるイメージではないのかなーとも思った。
あるいは、骨子を浮き彫りにしやすいのがアウトライナーか。
また、意味的な構造の話も出てきた。仮の構造が、意味的な構造に変容していく。その過程をプロセスするのがアウトライナー。
で、ここでも思ったのが、アウトライナーがテキストエディタ並に汎用ツールやと仮定すると、意味的な構造への変容を意図して使うのも、あくまでもアウトライナーの使い方の一部のような気がする。タスク管理やプロジェクト管理に使うのも。
テキストエディタで文章を書くこともあれば、タスクを使うこともあるのと同じで。
そういう諸々を、結構上手に扱えるのが、アウトライナー。
なんで上手に扱えるかというと、構造を持たせ、操作できるから。操作できるってところがやはり大切に感じてきた。


文章を書く上では、アウトライン・プロセッサーという呼称がぴったりくる。一方で、タスク管理に使う際にアウトライン・プロセッサーと呼んだ場合、「アウトラインを扱っているのか?」という疑問がわかないでもない。使う時もあれば使わない時もあり、必ずしもアウトラインを扱っている訳ではなく、あくまでも構造の中で操作している感覚。

  • テキストに構造を持たせて、それを操作・編集するツール

この言い方が、自分の中で一番しっくりくるかも。そして、上記以上でも以下でもないと思う。
確かにアウトライン・プロセッサーであり、アウトラインをプロセスするけど、アウトラインだけを扱うものではない。
テキストを編集することもあれば、構造を操作することもある。もちろんテキスト自身を操作することもあるし、構造を編集することもある。
あるときはそこに書かれているものが文章のアウトラインになるし、あるときは骨子になる。書いている間に前者が後者に変容していくこともあるのでそれを意図して使うこともできるし、仮のアウトラインの作成だけに使うこともできるし、テキストエディタのように見出しをつけながら文章を書くために使うこともできる。


アウトライナーを使って長い文章を書いた経験はそんなにないけど、とりあえずアウトライナーに対して抱いているものを書くとこんな感じ。

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