本と本は時に不思議な巡り合わせをするもので mybooks2021

2022年になって一発目のブログ。遅ればせながら、2021年の読書を振り返ってみたいと思います。
「びっくら本」の企画に乗るのが毎年恒例となっておるのですが、年末は立て込んでいてどうしても2021年内に書くことができませんでした。

もう2022年に入ってはや1週間が経っておりますが、気にせず2021年の本・読書についての振り返りをしたいと思います。しれっと「mybooks2021」をタイトルにしのばせて。


2021年は、読書の仕方が大きく変わった年と言えそうです。
それまでは、次に次にと本を読むことが当たり前でした。1冊読み終えるごとに、その読み終わった本について十分にまとめることなく、次の本へ。
それが、1冊読み終えた後に、読書メモを、アウトライナーを使って書くことを実践するように変わりました。
次に次にと読んだ方が多くの本は読めますが、1冊を十分には味わうことができていなかったように思います。
これはもう完全に「ブックカタリスト」の影響によります。このポッドキャストを聴いていると、自分も人に語れるほどに本を読み込みたい、という気持ちになります。
1冊を読み切るのにかかる時間は長くなりましたが、その分じっくり味わうことができています。

また、読書における「歴史」の大事さに気づけた年でもありました。
ポッドキャストの「COTENラジオ」を聞くようになったことが大きいです。
本を読んでいると、本の中で過去の人物の著作や考えに触れることがあります。その時に強く感じるのが、その本が書かれた・その発言がなされた時代背景を朧げにでも知っているのと知らないのとでは、納得感というか理解が結構違ってくる、ということ。
どのような時代が背景にあり、著者はそのような考えに至ったのか。
ただただ本に書かれていることを読むだけよりも、その時代の背景を少しでも知っていた方が、より本を楽しめるんですよね。

というわけで、2021年のびっくら本にいきたいと思います。


『うしろめたさの人類学』(松村圭一郎)

この本が、とても印象に残っています。内容もそうですが、本と本との巡り合わせがとても印象的でした。
この本の存在を知ったのは、今から2,3年ほど前。友だちがおもしろいよと教えてくれたのがきっかけでした。内容までは聞かなかったものの、興味を持ったぼくはすぐに購入しました。
で、2,3年放置したまま、読んでいませんでした。

話は変わりますが、2021年のはじめから、大好きなポッドキャストが開始されました。先ほども触れましたが、「ブックカタリスト」です。

どの回も面白いのですが、特に興味を惹かれたのが「世界は贈与でできている」という本が紹介されている回。何度も聞き返したくらいに好きな回となりました。当然、その回に紹介されている「世界は贈与でできている」はすぐに購入しました。


『世界は贈与でできている』(近内悠太) - 本と思考のカードボックス - Obsidian Publish

買ったはいいものの、2,3ヶ月放置したまま、読んでいませんでした。

ちょうど「世界は贈与でできている」を購入したくらいに、ふと「うしろめたさの人類学」を読み始めようと思い、読み始めました。
どんな内容の本なのか全く知らないままに、ちょっとはじめの方を読んでみるとぐぐぐっと引き込まれたので、そのまま読了。
読んだ時はわかってませんでしたが、これがもう、「世界は贈与でできている」と関連しまくりな内容なのです。「うしろめたさの人類学」も贈与の話だったわけです。
すかさず、「世界は贈与でできている」を読み始め、とても楽しく読むことができました。2冊はみっちりと関連しており、「世界は贈与でできている」の中で「うしろめたさの人類学」の引用が紹介されるほどでした。

片方は、2,3年前に、友だちの紹介で知った本。
もう片方は、最近になってポッドキャストで知った本。
全然別々のところから興味を持ち、ちょうど読み始めてみたら、その2冊がなんとまぁ密接につながる内容だった。
こういった巡り合わせがあることも、いろいろな本を読み続ける醍醐味だなーと感じたと共に、繋がっていくからこそ、各々の理解は確実に深まってくれるということも感じました。
贈与の話なんて今まで全く知らなかったので、おそらくは「世界は贈与でできている」から先に読んでいたなら、その内容に今ほどピンと来なかったのではないか、と思うのです。「うしろめたさの人類学」を先に読むことができて、ほんとによかった。


ということで、2021年のびっくら本は、「うしろめたさの人類学」と「世界は贈与でできている」の2冊ということになります。
他にも読んで印象的な本はありましたが、本の内容の面白さと、巡り合わせとがあいまったこの2冊を紹介し、今回のエントリを終えたいと思います。

では、お読みいただきありがとうございました。